強度近視の私がフェイキックIOLを受けて視力を回復した体験と視力が低下するメカニズム、対処方法について、説明します。意外と多い強度近視の方向けに情報提供ができればと思います。

屈折矯正手術の基本、レーシックとは

レーシックは、1990年代にアメリカを中心に広がった術式で、角膜屈折矯正手術の一種です。 目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜の屈折率を変えることにより視力を矯正します。
レーシックは価格は安いですが、術後視界の鮮明さなどに課題がある術式です。 現在は、より安全性を高めたイントラレーシックが主流となっていますので、ご注意ください。

レーシック手術の流れ

①点眼麻酔をする。


②マイクロケラトームでフラップを作る。


③フラップをめくる。


④エキシマレーザーを照射する。


⑤フラップを元に戻し、抗生剤を点眼する。



一般的にレ―シックは、「マイクロケラト―ム」を使ってフラップを作成します。 「マイクロケラト―ム」とは、フラップを作成するための手術用精密機器です。 超小型の金属ブレード(金属刃)の往復運動により、角膜表面のカーブに沿って角膜をスライスすることで、フラップを作ります。 技術の習得に時間を要し、手術の結果が執刀医の技量に大きく左右されるという問題点があるため、技量のある医師に手術を受ける必要があります。

マイクロケラト―ムの課題

一般的なマイクロケラト―ムで作るフラップは約160ミクロンメートル程度になります。角膜の平均的な厚さが550ミクロンメートルですので、160ミクロンメートルのフラップは角膜の約30%の厚さに相当します。 エキシマレーザーを照射後、残った角膜の厚さが薄いと角膜の形が眼圧の影響を受けて変動します。極端に薄くなると角膜面が隆起するケラトエクタジア(スウドケラトコーヌス)が起こる可能性があります。また、フラップのエッジが鋭角なので、エキシマレーザーの照射後にフラップを元の位置に戻しても、フラップずれやすく、シワや乱視の原因になります。フラップが厚く、視力調整のために削ることができる角膜の幅が小さくなりますので、重度近視の方には向かない手術方法となります。

また、メスの高速運動によりできるフラップは微細なスジが生じるため、夜間は鮮明に見えないことがあります。 また、フラップが作成途中で切れたり、位置がずれて乱視になるなどの問題がありました。

角膜屈折矯正手術を提供しているクリニックのほとんどで、最も安い視力回復手段として、レーシックを提供していますが、手術の成否が医師の技量に大きく左右されるなど、リスクが大きいため、私はお勧めしません。
近年、一部のクリニックで100μm程度のフラップを作成できる機器を導入しているようですが、手術の成否が医師の技量に大きく左右されることに変わりはなく、マイクロケラトームを使ったレーシックはやはりお勧めできません。

各社のサービス比較

マイクロケラトームを使用した旧式のレーシックは、価格は安いですが仕上がりの安定性に欠くため、お勧めできないのですが、それでも受けたい方向けに一応各社のサービスの比較をしておきます。
繰り返しになりますが、「マイクロケラトーム」は超小型の金属刃で構成されており、手動でフラップを作成します。このマイクロケラトームの操作は手動で行うため、かなりの熟練を要し、経験の浅い執刀医では途中で穴が開いたり不均一な厚さになったり、一部をつなぎとめておくヒンジ部分を残せず完全に切り取ってしまったりするトラブルがしばしば発生していました。
日本でよく使用されているマイクロケラトームには、日本のニデック社製MK-2000と仏モリア社製M2の2機種があります。 欧米人と日本人では眼のサイズが違うため、日本人にあったマイクロケラトームとして採用されています。

レーシックを比較するポイントは3つあります。
1.フラップ作成のためのマイクロケラトームの性能
2.視力矯正のためのエキシマレーザーの性能
3.執刀医の実績

レーシックでは医師の経験と手術で利用する機器の性能は、どのクリニックで手術を行うかの重要な判断材料になります。こちらでは、各クリニックが採用している機器を比較しました。マイクロケラトームはフラップ作成に利用し、エキシマレーザーは角膜を削るために利用します。
価格だけでみると、品川近視クリニックが安いです。マイクロケラトームの種類は神戸神奈川アイクリニックが多いのですが、眼に合わせて選択できるのなら、優位点だと思います。保障やアフターケアの点では、神戸神奈川アイクリニックが優位です。料金が高い分、アフターケアが充実しているのでしょう。

神戸神奈川アイクリニック 新宿近視クリニック 品川近視クリニック
価格 ×
15万円

7.72万円

7.56万円
マイクロケラトーム
複数種類準備
・日本NIDEK社「MK-2000、MK-2000 38.5」 ・フランスMoria社「M2」

一種類のみ
フランスMoria社:SBKウルトラマイクロケラトーム「M2」

一種類のみ
日本NIDEK社「MK-2000L」
保障やアフターケア
3年(再手術・追加矯正が無料、手術後の検診・相談が無料、合併症治療対応が無料)
×
なし

1年(再手術が無料、手術後の検診・相談が無料)
さて次は、角膜を削る際に利用するエキシマレーザを比較してみます。

レーシックで利用するエキシマレーザー比較

性能でいえば、新宿近視クリニックと品川近視クリニックが使用しているAllegretto WAVE Eye-Q 400Hz bluelineが優位です。ただこの機器、厚生労働省の認可機器ではないのです。昔、神戸神奈川アイクリニックも利用していましたが、VISX STAR S4 IRに変更しています。 厚生省認可の良いところは、何かあった際に国の責任が問える(=国が面倒を見てくれる)点です。リリースから8年経って認可されていないのは申請すらしていないのでしょうか?
私は厚生労働省認可機器を利用した方が後々安心だと思います。20年、30年後に何か発生した場合に備えて、国の責任を問える方が安心で合理的です。
神戸神奈川アイクリニック 新宿近視クリニック 品川近視クリニック
機種名 VISX STAR S4 IR Allegretto WAVE Eye-Q 400Hz blueline Allegretto WAVE Eye-Q 400Hz blueline
メーカー アメリカAMO アメリカAlcon アメリカAlcon
リリース 2004年 2007年 2007年
厚生労働省 認可 未認可 未認可
米国FDA 認可 未認可 未認可
レーザー照射速度 20Hz 400Hz 400Hz
アイトラッキング 60Hz 400Hz 400Hz
補正率 300% 100% 100%

さて、ここまで手術に利用する機器の確認を行ってきましたが、最後にクリニック全体を比較してみます。

クリニック比較

クリニックの症例数はあまり参考になりません。重要なのは医師の症例数ですから。今回比較したクリニックは全員、眼科専門医による手術を行います。可能なら症例数の多い医師を指名したいところです。また、転勤がある方でしたら、全国に拠点の多いクリニックを選択した方が後々の検査含めた対応が安心です。
神戸神奈川アイクリニック 新宿近視クリニック 品川近視クリニック
症例数 145万症例 10万症例以上 119万0529症例(2015年5月31日現在)
執刀する医師 眼科専門医 眼科専門医 眼科専門医
医者指名 可能 可能 不可
拠点 東京、大阪、福岡、名古屋、滋賀 東京、大阪
※大阪は術後検診のみ
東京、札幌、名古屋、大阪、福岡

まとめ

眼は替えが効かないので、価格ではなく、安全性の高さで判断するんだろうと思います。そういう意味で、厚生労働省認可機器での手術が将来的なトラブル防止につながるとの判断とサポートが充実しているので、私なら神戸神奈川アイクリニックを選びます。 この他にも自分の居住地の近くに病院があるか、医師が質問に適切に答えてくるか、なども考慮して病院を決める必要があります。

最後に、繰り返しになりますが、マイクロケラトームを使ったレーシックはお勧めしません。 手術後の目の状態をより良いコンディションに保とうと思えば、やはりイントラレーシックを受けることを検討してみてください。

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