コンタクトレンズは取扱いを間違えると眼に大きなダメージを受けます。その結果、失明に至る原因を詳しく解説します。

コンタクトレンズが角膜に与える影響


角膜の構造

コンタクトレンズの長時間装用は眼に悪影響を及ぼします。具体的には角膜内皮細胞層に損害を与え、最悪の場合失明につながります。
まずは角膜の構造について理解しましょう。 角膜は眼の最も前にある半球状の薄い膜です。 厚さは中央部で約0.5mm、周辺部の白目に近いところで0.7mm程度で、直径は11~12mmです。 目に入った光を屈折させ、焦点を合わせるための役割をはたすため、角膜の変形や混濁などの異常は視力に大きな影響を与えます。 角膜は透明な膜ですが、5層に分かれており、バームクーヘンのような層状の構造をしています。眼の表面から、上皮層、ボーマン膜、実質層、デスメ膜、内皮層に分かれます。



角膜上皮細胞層 数層の角膜上皮細胞からなる層で、その表面は涙液により保護されており、細菌などの付着から眼を保護します。また、再生力が強く、コンタクトレンズなどで傷が付いても数日で修復されます。
ボーマン(Bowman)膜 角膜の表面にある角膜上皮細胞の層の下にある細胞の層で、厚さ10 マイクロメートルほどの、コラーゲンでできた細胞層。
角膜実質層 角膜の厚みの90%ほどをしめる層で、厚みは約0.4~0.5ミリ程度です。 主成分はコラーゲン繊維とたんぱく質で、外から入ってきた光を屈折させる重要な役割をする。 しかし、再生能力はほとんどないため、損傷した場合は、視力に大きな影響を及ぼします。
デスメ(Descemet)膜 角膜の構造の保持に重要な膜で、実質層の内側に位置しています。
角膜内皮細胞層 角膜の最も内側にある組織で、六角形をした角膜内皮細胞が規則的に配置されています。角膜内皮細胞は角膜の透明度を維持するために必要であり、内皮細胞の密度がある限度を超えて少なくなると角膜にむくみが発生し、角膜の透明性が維持できなくなります

コンタクトレンズの長時間装用が失明につながる理由

角膜内被細胞は長時間のコンタクトレンズの装用を続けると減少することが分かっています。この細胞が減ると角膜は透明性を維持できなくなり、濁ったり痛みが出るようになります。 また、一度減った角膜内被細胞は増えることはなく、治療法としては角膜移植しかないのが現状です。なお、角膜内被細胞は加齢によっても減少することが知られており、毎年細胞密度が約0.5%減少します。 日本角膜学会では角膜内皮障害の重症度分類を作成し、公表しています。
正常 角膜内皮細胞密度2,000 cells/mm2以上
Grade 1 角膜内皮細胞密度 1,000 cel ls/mm2以上2,000 cells/mm2未満.正常の角膜における生理機能を逸脱しつつある状態.
Grade 2 角膜内皮細胞密度 500 cells/mm2以上1,000cells/mm2未満.角膜の透明性を維持するうえで危険な状態.わずかな侵襲が引き金となって水疱性角膜症に至る可能性がある.
Grade 3 角膜内皮細胞密度 500 cells/mm2未満で角膜浮腫を伴っていない状態.
Grade 4 水疱性角膜症.角膜が浮腫とともに混濁した状態.
(出展)角膜内皮障害の重症度分類(平成26年2月10日)
   http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/corneal_endothelium.pdf

角膜内皮細胞密度が2,000 cells/mm2を下回るようであれば、コンタクトレンズの装用方法を見直すなど、 注意が必要です。角膜内被細胞の測定は特別な装置が必要です。 比較的大きな病院に問合せするか、フェイキック手術の適応検査を申し込むと無料で実施してもらえます。興味のある方は神戸神奈川アイクリニックの無料適応検査から申し込むことができます。
角膜の厚さや透明度を保つために重要な角膜内被細胞、将来のためにも一度チェックしておきたいものです。

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